
近年、ポケモンカードやワンピースカードをはじめとするTCG(トレーディングカードゲーム)の人気が急上昇しており、TCG 市場規模は拡大の一途をたどっています。かつては「マニア向けの趣味」と思われがちだったTCGですが、コレクションアイテム・投機対象としても注目度が増して、市場規模も右肩上がり。
特にレアリティの高いカードがオークションサイトやフリマアプリで数十万円から数百万円で取引されることも珍しくなく、その需要の高さを物語っています。
本記事では、TCGを投機対象として注目する方や、TCGの導入を検討するリユースショップの従業員の方や、新規で他タイトルの導入を検討するカードショップの従業員の方が知っておきたい「TCG市場規模の伸びと背景」「TCG市場規模拡大によるビジネスチャンス」などを解説します。
将来性や具体的な課題を知ることで、効果的なアクションを取るヒントになれば幸いです。
目次
TCG(トレーディングカードゲーム)とは?

TCGとは、キャラクターやモンスター、魔法などさまざまなイラストや設定が施されたカードを使って対戦を楽しむゲームの総称です。
ポケモンやワンピースなどのアニメや漫画などの人気コンテンツとコラボしたタイトルもあり、以下のような特徴があります。
- カードの種類とデッキ構築
多種多様なカードから自分で組み合わせを考え、一つの“デッキ”として戦略を練り上げる点に大きな魅力があります。プレイヤーの個性やアイデアがゲームプレイに直接反映されます。 - コミュニティの形成
各タイトルごとにプレイヤーコミュニティが存在し、トーナメント大会や出会いの場が豊富です。これがTCGの大きな魅力であり、長期間に渡って多くのファンを獲得しています。 - コレクションや投機の対象にも
レアリティが高いもの、初回限定版、特別プロモーションカードなどは希少価値があり、コレクターや投機家から高額で取引されることも珍しくありません。
TCGの市場規模の動向と背景

TCGの市場規模やブームが広がる理由
以前は一部の熱心なプレイヤーやコレクターを中心として成り立っていたTCGですが、近年の盛り上がりは以下のような要因が考えられます。
1.コレクション性と投機需要の高まり
昔の初版カードや特典カード、希少プロモーションカードなどは、資産価値が大きく跳ね上がることは珍しくありません。
魅力のあるカードを集める楽しみに加え、希少性が高いカードを手に入れることで投機としての利益を得たいと思う人が増えています。
2.海外における需要や市場規模の拡大
日本のアニメや漫画の人気が世界的に高まったことから、ポケモンカードやワンピースカードなどは外国人バイヤーの注目度も高いです。
海外のオークションハウスや専門販売サイトがレアカードを扱うことで、さらにグローバルな市場規模の拡大が続いています。
3.フリマアプリの普及
大手ECサイトだけでなく、メルカリやラクマなどといった個人間取引が行えるフリマアプリが普及したことでトレカ業界全体が活性化しました。
気軽に売買できるため、多くのユーザーが利用し、価格相場を押し上げています。
巣ごもり需要から広がったYouTubeの影響
コロナ禍に伴う巣ごもり需要は、多くのエンターテインメント市場に大きな影響を与えました。
自宅で楽しめる趣味として一気に注目を集めるようになったTCGも、その恩恵を受けた分野の1つです。
ステイホームによる新規ユーザーの増加
在宅時間が増え、「子どもの頃は遊んでいたけど、久しぶりにTCGに触れてみよう」という大人や、新たに趣味を探していた初心者が増えました。オンライン対戦機能やアプリ版があるタイトルでは、逆に物理カードを集めるきっかけになるケースも。
YouTubeなどSNSでの情報拡散
とくに大きかったのがYouTubeによる影響です。著名なYouTuberやコレクターが「開封動画」を投稿、配信することで、これまでTCGに興味がなかった視聴者も、TCGの楽しみ方を知る機会が増加し、新しいファンの獲得につながりました。実際、開封動画からは「自分もやってみたい」「こんなに高額なカードがあるのか」といった驚きや興味を惹起し、TCG市場全体を底上げする現象が起こっています。
TCGの市場規模が伸びている要因

TCGの市場規模が盛り上がる背景には、投機目的やコレクター需要だけではなく、もちろん「プレイヤーの増加」も大きく影響しています。以下では、その具体的なポイントをいくつか紹介します。
要因1:プレイヤー人口の増加とコミュニティの拡大
TCGには対戦ゲームとしての魅力があり、新しい世代のプレイヤー層がどんどん参入しています。
また、友人同士での対戦のみならず、見ず知らずの人と対戦して勝利を目指す大会も頻繁に開催されています。これは、店舗主催の小規模な大会から、TCGメーカー主催の国内退会や世界大会など、年齢や国籍などの環境を問わず、誰でも気軽に参戦できるようになっています。
ここで勝利実績を積んだプレイヤーやインフルエンサー、著名人がSNSで話題になり、新規で始めるプレイヤーを獲得するなど、コミュニティの拡大サイクルが生まれています。
要因2:人気タイトルのカード化とレアリティの多様化
ポケモンカード、ワンピースカード、遊戯王など、いずれも巨大なファンコミュニティを有しています。
さらに、各タイトルが定期的に新作シリーズをリリースするため、カードの収集要素が増え続けるのも需要を支える大きな要素です。
また、同じ能力を持ったキャラクターのカードでも、レアリティが異なるだけで数倍の価格差がつくケースもあり、コレクターや投機家の注目度を高めています。
要因3:コミュニティイベントのオンライン化
先ほど紹介した、コロナ禍による巣ごもり期間にはカードショップのリアルイベントや対面型大会が制限されていました。
これは物理のカードを扱うTCGにとっては大きな影響かと思われましたが、実際には逆に、オンラインを通じた大会やコミュニティ運営が広まりました。
物理のカードゲームでオンライン化とはどういうこと?と思うかもしれませんが、これは、スマホやPCのカメラ機能を用いることで、オンラインでのビデオ通話のような形で対戦を行うというような内容です。これにより、距離を問わずに友人同士でいつでも、カードショップ等に行かずとも対戦が楽しめるようになりました。
日本国内のTCG主要タイトル

日本国内には数多くのTCGタイトルが存在しますが、特に注目されているのが以下の4つです。
- ポケモンカードゲーム
世界的な知名度を背景に、コレクター・プレイヤー両面で人気はトップクラス。公認大会やイベントが頻繁に行われています。 - ワンピースカードゲーム
連載25周年を迎えたワンピースの世界観を生かしたカードゲーム。新作発売時には店舗からカードが瞬時に消えるほどの需要があります。 - 遊戯王
1990年代から続く老舗的存在。大会での活躍、度重なる新規カードの登場などで常にファンをリテンションしており、未だ強い地位を保っています。 - デュエル・マスターズ
キッズ層から大人まで幅広い支持を集めるシリーズ。クロスメディア戦略も成功しており、根強い人気があります。
他にも、マジック:ザ・ギャザリングなどといった、海外タイトルも根強いファンがいます。新規タイトルのリリースやコラボ商品なども盛んで、TCG業界は引き続き活況を呈しています。
TCG事業への参入における3つの特性

特性1:レアリティ・状態評価の価格差
カードの角がわずかに傷んでいるだけでも、買取価格が大きく変動するのがTCGの特長。逆に完美品や極めて低印刷数のカードは、コレクターにとって特別な価値を持ち、高額落札が期待できます。
また、海外のPSA(Professional Sports Authenticator)に代表される、カード鑑定の専門業者によってグレーティングされたカードも存在します。
これらのグレーディングで良い評価が付いたカードは、完美品の通常価格よりもさらに跳ね上がる傾向が見られます。
特性2:プレイヤー動向による需要変化
プレイヤー間で大会が開催されると特定のカードが必須パーツ扱いとなり、その需要が一時的に増加する傾向があります。
そうした情報をいち早くキャッチし、価格設定や在庫管理に反映させることがビジネス成功の鍵になります。
特性3:偽造品のリスク
TCGの市場が拡大するにつれ、希少なカードでは偽造品が出回ることもあり、問題視されています。
偽造品を買い取ることは大きな損失を生み出すため、正規品の証明書の有無や、査定段階での厳格な検品体制はマストといえるでしょう。
TCG事業を円滑に進めるPOSシステム「タロスPOS」
これらの内容を踏まえ、TCG事業への参入や新たなTCGの取扱を検討する際に、鍵となるのが「正確な査定」と「効率的な在庫・価格管理」です。
リユース業界特化型のPOSシステム「タロスPOS」は、以下のような機能で店舗運営を支え、TCG事業を徹底的にサポートします。
メリット1:リアルタイムの相場額で適正な査定が可能
買取時に自店舗・他店舗の「相場」がPOSの画面上で確認できます。過去実績に加えネットの情報からも査定額を自動的に算出できますので、レアカード・最新カード等、商品価値を適切に判断。不適切な価格での買取を抑制することができます。また、買取担当者が適正な価格で査定を行えているかを分析評価し、査定精度の向上を可能にします。
メリット2:多様化する買取りニーズと特殊な販売手法にも対応
従来のPOSシステムでは実現しなかった買取ニーズに応えることができます。個々の在庫に振り替えて原価管理をしますので、気になる粗利が分かり、利益配分もしっかり把握できます。ばら売り・まとめ売りといった販売形態にも対応可能で、買取担当者の査定精度向上にも寄与。中古商材や各業種に特化したパッケージPOSもご用意しています。
メリット3:迅速・丁寧な電話サポート
ご契約中の店舗様向けに、タロスプラットフォームに関する全てのご相談窓口としてコールセンターを年中無休で開設しております。機材のご相談から実際の運用まで幅広くご相談いただき、お客様のご利用用途にあわせて最適な運用をご提案させて頂いております。使いこなせるか心配、急な機材トラブルなどのお困りごとに幅広く対応します。
メリット4:ECの出店でも安心な連携機能
Amazon・楽天市場・Yahoo!オークション・Yahoo!ショッピングなど、多岐にわたるEC出品管理や今後拡充されるWebサービス連携にも対応。
店舗の成長に合わせて必要なタイミングで機能を追加できるため、無駄のない運用コストで長期的な事業拡大をサポートします。
多店舗運営の省力化にも対応:タロス本部システム(オプション)
2店舗から数百店舗規模まで、チェーン店やグループ店など、本部に紐づく各店舗のPOSデータを一元管理。
共通マスタ配信や本部からの発注、特売指示、店舗間移動指示などの情報もスムーズに配信できます。
もしもの時も安心:オンラインバックアップ(オプション)
大切なPOSデータをクラウドサーバへ自動保存する「オンラインバックアップ」サービスを、月額500円で提供。
標準装備のローカルバックアップ(HDDへの定期保存)に加えて、「直近から過去3営業日分のデータ」を閉店処理時にクラウドへ保存するため、万が一のトラブル時にも素早く復旧できます。
まとめ│今後の市場規模と将来性について
TCGの市場規模は対戦ゲーム・コレクション・投機としての人気拡大に後押しされながら、今後もしばらくは右肩上がりが続くと予想されます。多彩なタイトル展開と積極的なイベントが、初心者から上級者まで惹きつけ続けており、一過性のブームで終わる気配はありません。 ここ最近では、ディズニーやドラゴンボール、プロ野球といったTCG以外での人気コンテンツもTCGに参入しており、市場規模の拡大を裏付ける証拠ともいえるでしょう。
これらの背景から、店舗ビジネスとしてTCGを扱うメリットは大いに見込めるでしょう。
一方で、在庫の回転管理や査定の専門知識、偽造品への対策など、押さえるべきポイントも多いです。これらのポイントは、本記事で紹介したPOSシステム「タロスPOS」に搭載された機能の導入で対応可能です。
「TCG事業を通じて店舗を成長させたい」「自動査定で効率を高めたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。