「レンタルショーケース」という新しいビジネスモデルを実現するための業務システムに、タロスを選定。

【写真】アストップ 外観

「レンタルショーケース」という委託販売の新しいビジネスモデルは、東京・秋葉原に集まるホビーショップ業界へ一石を投じました。その筆頭である アストップ 様は、日に日に拡大する昨今のインバウンド需要も後押しして、着実に売上を伸ばしています。初めての大きな業務転換となるオンラインシステム化が完了したいま、その効果をお聞きしました。

アストップ

株式会社アストップ 芳山 様

業種 ショーケースの貸出による委託販売業
店舗数 実店舗:3店舗
導入製品 『タロス』POSシステム タロスSI 免税POS
導入目的
  • 在庫管理業務のオンライン・システム化による業務効率の改善
  • システム化からの店舗運営の強化、新施策の打ち出し

選定理由
  • リサイクル業のノウハウを十分に有しているPOSシステムであること
  • システムのカスタマイズにより、理想のビジネスモデルに適したシステム構築が可能であること
導入効果
  • レンタルショーケースの在庫管理に要した作業時間を5分の1に短縮。
  • 効率化による余剰時間を、お客様との接客やWeb集客業務へ転換し、店舗運営を強化。
  • 外国人観光客向けの免税対応が効率化され、インバウンド需要を確実に掴む。

レンタルショーケースビジネスを実現する業務システムが、存在しない。

「タロス」導入前、御社にはどのような問題や課題があったのでしょう?

 レンタルショーケース事業の開始以来、基本業務のほとんどが紙ベースで管理されていました。と言うのも、レンタルショーケース事業は個人のお客様からの委託販売という特殊な販売方式で、レンタルショーケースに適した業務パッケージを取り扱う会社など当時は存在しませんでした

【写真】アストップ 店内写真

 事業は順調に拡大してゆき、近年は海外からのお客様も増加してゆきましたが、販売・在庫管理業務については相変わらずの紙ベースで行っていました。

 次々と持ち込まれるレンタル在庫の管理業務をスタッフの努力と根性でカバーしていたものの…流石に人力の業務に限界を感じ、業務システムの導入を決定しました。

【写真】アストップ 店内写真2

大量で複雑なショーケース在庫の管理業務を、5分の1へ省力化。

業務パッケージが存在しない中、どのようにオンラインシステム化を実現したのでしょうか?

 当社はリユース業に特化している会社・スクラッチ開発を行う会社などシステム開発会社を複数選定し、オファーを出しました。パッケージ化されていないビジネスモデルですので開発費の高騰は覚悟していたのですが…結果は、3社が門前払い、1社でスクラッチ開発が可能でしたが大幅な予算オーバー…。

 そんな中、【タロス】はリユース業で評判のある業務システムとして元々知っていて、システムのカスタマイズも可能ですので最初から好感触でした。こちらの販売システムの理解度や、逆にご提案いただいたシステムなど満足なものばかりでしたので、【タロス】を選定することとしました。

【写真】アストップ フィギュア棚の写真1

 【タロス】導入後、まず、在庫管理の作業効率が劇的に向上しました。従来の作業と比較すると5分の1程度の作業量にまで効率が上がりました。時間に余裕が生まれたことで、お客様応対への時間を拡大できるようになり、より販売に専念する事が出来る様になりました。

【写真】アストップ レジ前写真

各業務の所要時間を大幅削減。余剰時間を新たな店舗施策に転換。

どのような場面でタロスの利便性を実感したか、もう少し詳しくお聞きしたいです。

 在庫管理をオンライン・システム化したことで、ケースオーナーがリアルタイムで販売状況を確認する事が出来る様になりました。商品が売れたケースオーナーがすぐに次の商品を補充できる循環サイクルを加速、その結果ショーケース在庫の回転率が上がり、販売機会損失が減少しました。

【写真】アストップ フィギュア棚の写真2

 また、訪日外国人のお客様が増加するのに合わせ、免税機能を導入しました。お客様のパスポートをスキャンするとPOSシステムへ文字情報が自動入力されるので、免税手続に要する時間を短縮できるようになり、レジ効率が上がりました。

 各方面で業務時間が効率化したため、SNSでの情報発信業務やWebサイトの更新等今まで滞りがちだった業務にも時間を割く事が出来るようになったことに、大きなメリットを感じています。副次的に見れば、集客の観点からも改善されていくものと確信しています。

【写真】アストップ フィギュア棚の写真3

【タロス】を大幅カスタマイズ。要望が次々と実現できる開発体制。

レンタルショーケースの管理システムは、カスタマイズによる導入でした。その後いかがですか?

 システムの大枠についてはこちらの要望に沿った形で次々とご提案いただいたので、開発も導入も順調に進みました。【タロス】エンジニアの方々と何度も打ち合わせを重ね、無理ないスケジュールで1店舗ずつ導入をすすめました。

【写真】アストップ レンタルシステムの利用写真1
ショーケースオーナー様がモバイル端末から直接出品登録を行う

 これまでは出品時にオーナー様が記入した紙の商品情報をコピーしたりハサミで切ったりセロテープで売上台帳へ貼り付けたり…レンタル管理は特に忙しい業務でした。オンライン化で、オーナー様がWebアプリ上で出品データを入力した内容に対して店側はその商品をチェックするだけの業務となりました。

 オーナー様からお預かりした商品に対し、店側は検品時に単品のバーコードを発行し、商品に貼り付けます。手書きだったタグはプリンタの自動印刷に変わり、陳列までの時短に繋がっています。

【写真】アストップ レンタルシステムの利用写真2
商品タグはデザインをカスタマイズして出力するようにした

 商品を委託販売としてお預りした場合、古物営業法上は古物台帳への記載が義務化されていますので、オーナー出品時に自動的に品目・個数・総額が計算されて古物台帳へ記載するようにしました。

 売上管理については全てレジでバーコード販売を行うだけの工程となり、レジの打ち込みミスが減少。精算処理についても販売時にオーナーに自動的に売上が反映されている為、以前は必要であった人的チェック作業が削減。紙やExcelで管理していた頃に比べ、大幅な業務改善となりました。

【写真】アストップ レンタルシステムの利用写真3
売上の確認もオーナー様がWebサイトから直接検索可能

 一番の課題点は、在庫とケース契約期間のデータ移行でした。新システム稼働開始の前日までの店舗データ変更をどのように引き継ぐか…。旧システムの営業終了日ギリギリまで苦労しましたが、スタッフ一丸となって対応し、無事に新システムへのデータ移行を終えることができました。

ショーケース在庫のEC本格出品、そして他店舗運営を視野に。

今後将来的に伸ばしてゆきたい商材や事業は何かありますか?

 現在もネット通販は独自に行っているのですが、まだまだ手薄で小規模ですので、これから注力していきたいと思っています。店頭販売とネットの同時併売・多モール出店・海外への出品など、【タロス】との連携によって選択肢が増えている状況です。EC事業の改善の余地は大いにあると感じています。

 また、多店舗展開も視野に入れています。【タロス】によってレンタルショーケースの仕組みがパッケージ化されたことで、横展開をスムーズに実現できそうです。今後の経営戦略上の強みとなっています。

【写真】アストップ 代表 近影