ブランド・貴金属の買取店を日本全国に展開されているザ・ゴールド様。お客様との丁寧で楽しい接客をモットーに買取業を運営、近年ではオークション事業も好調で業績を伸ばされています。今回は旗艦店であるザ・ゴールド銀座店へ伺い「タロス」導入までの経緯と、その後の効果を詳しくお聞きしました。
ザ・ゴールド
株式会社マックスガイ 営業部 主任 門馬様
業種 | リサイクル業 ブランド品・貴金属・時計・宝飾品、遺品整理・生前整理 |
店舗数 | 実店舗:79店舗 EC:2店舗(楽天市場・Yahoo!ショッピング) オークション:1事業 |
導入製品 | 『タロス』POSシステム タロスEC タロスSI |
- 本部・店舗が顧客分析しやすい業務システムへの刷新
- 新規オークション事業へのシステム連動
- 貴金属・ブランド品に関するリサイクル業務の知識が豊富なPOSベンダーであること
- システムのカスタマイズが容易であること
- 納期に間に合う柔軟な開発体制であること
- 中古買取・販売の情報源が一元化し、オークション連動が実現した
- 全店共通の情報共有で、確かな顧客分析と接客向上が実現した
- 本部と店舗のコミュニケーションツールとして機能し、連携が強化できた
貴金属買取専門の業務システムを構築したものの、事業展開のスピードにシステムが追いつかず、陳腐化。新たな業務システムが急務に。
既に稼働中の業務システムから入替を検討することになった経緯をお聞かせください。
当社はリサイクル業界の認知度が低かった頃から中古商材を扱う事業を手がけており、2007年にブランド・貴金属の買取専門店「ザ・ゴールド」1号店を出店しました。また、2009年に高級腕時計の買取、2015年に業者向けオークション事業をスタートし、買取から販売まで一連の商流を確立しています。
実は「ザ・ゴールド」以前から「タロス」の存在は知っていましたし、過去の事業で「タロス」を採用した実績もありますが、「ザ・ゴールド」開店時は店舗業務システムを別の業者へ依頼して新規構築しました。ただ、当時のシステムは単純にお金の管理を重きに置いた、本当にシンプルな内容でして。
当店はお客様のご来店を大切にしようと、どんな人がいつどんな商品を持ってきて、どういったニーズがあって、結局買い取ったのか買えなかったのか等、顧客情報をこと細かく登録できるようにしていました。ですが当時のシステムは顧客情報の紐付けが不十分でやりたいような顧客分析ができなかったため、接客向上の施策が考えにくく、不満を抱えていました。
当店は貴金属の買取でスタートしましたが、宝飾品・ダイヤモンド・ブランド・腕時計…次第に取扱商材が増えてゆき、商材ごとの在庫管理が重要になりました。業務日報や申込内容を紙媒体で集めるようなアナログ運用だったことも店舗の負担を増やしていました。
さらに、当社でオークションの新規事業が決定し、店舗で仕入れた商品をオークションでスムーズに出品できるシステムも必要になりまして。当社の事業展開のスピードが早く、業務システムの改修だけでは追いつかず…。これらを踏まえ、業務システムの全面リニューアルが重要課題となりました。
リユース業ならではの中古買取機能に「タロス」を注目。システムの柔軟さも選定評価にプラス作用。
数ある業務システムの中から「タロス」を選定されたのは、なぜでしょうか?
当社がオークションを開始するにあたり、これまでの業務に加え店舗とオークションを連動させるための新しいシステム構築について何社かへお声掛けをさせていただいたのですが、当社の考える中古買取業務の重要さが開発会社になかなか理解されず、業者選定が難航しました。
既存のシステムパッケージにリサイクル用のカスタムを施すような提案は幾つかあったんですけど、以前のシステムと似たレベルの性能でした。当社としてはこういう分析ができる・業務改善ができる・中古買取もしっかり行えるといった、会社全体として業務のバージョンアップを実現できることが重要でした。
「タロス」を選定した一番の理由としては、中古買取の経験が豊富だったことが大きくあると思います。買取の部分をよりさらに深掘りできるような仕様を、やはりスムーズにご理解いただいて開発していただけるところを含めたときに、他社よりも「タロス」に優位性がありました。
また、「タロス」はシステムパッケージでありながらカスタマイズが容易であることも評価しました。オークション事業開始までのスケジュールが厳しかったのですが「タロス」なら中古買取ができる上に当社向けのカスタマイズも可能、オークションとも連動できるシステムを納期までに全店導入できると言っていただけたので、選定の後押しになりました。
「タロス」の大幅カスタマイズで、顧客分析業務が改善。店舗-本部間のリアルタイム連動により接客レベルを向上。防犯対策にも貢献。
導入による効果、売上アップの実感についてはいかがでしょうか?
前のシステムでは店舗が閉店してデータを送信しないと本部にデータが集まりませんでしたが、「タロス」導入後は現場の営業情報が瞬時に共有化できるようになりました。特に店舗展開が遠方になると簡単に行ける距離ではありませんので、各店舗・エリアマネージャー・本部で相互認識を取りやすくする環境整備は重要です。
今度はこういう戦略でいこうという訴求がしやすいですし、ある店舗で大型の買取が発生したら買取準備金の手配をすすめる…といったすばやい店舗サポートに情報共有は役立っています。店舗へ電話したら接客中で忙しいことも多いので、店舗と直接連絡する手間を省けるようにしています。
「タロス」をカスタマイズしたうえで全国の各店舗へ全店導入することは、計画するだけでも大変でした。開発の方の応対が親切丁寧で、当社のニーズと運営内容を深くご理解いただいたうえで必要なカスタマイズを実装していただいた…と日頃感じています。私にも分かりやすく一つ一つ説明していただけましたし、扱いやすいシステムに仕上がったことも助かっています。
当社向けのカスタマイズは多岐に渡ります。すぐ分かる日別の終始計算表を始め、お客様に直接関係するところは特にこだわりました。当社の特徴である「お客様へのインタビュー」に関する項目・好き嫌い・過去履歴・DMの送付…。目の前のお客様がどんな想いで来店し現在どんな状態なのか、どのスタッフでもベストな接客ができるよう顧客情報をリアルタイムで全店共有しました。それぞれのお客様に合わせた些細なお声かけで、関係がぐっと深まることもあります。
また、顧客情報を全店共有するメリットとして、不正対策・トラブル回避が強化できました。お客様がある店へ行って買取査定したのち他店でも同じ品を査定しているような「不審な動き」に対して、前のシステムでは他店の顧客や査定結果を把握できなかったために見落とされていました。「タロス」導入後はそこも確認できます。
よくも悪くも当店の運営は流動的で、固定化されていません。時流に合わせて業務システムをずっとブラッシュアップし続けられるのは、必要なものを一日でも早くリリースして都度改善してゆける、アジャイル開発の「タロス」だからこそ、なのかなと思っています。
お客様に楽しんでご来店いただけるよう、エンターテインメント性を強化した店舗施策を日々追求。リピーターのさらなる確保へ。
オークション事業も順調で、御社の今後にも注目が集まります。会社のモットー、将来の展望はありますか?
当社が日頃から心がけていることは、エンターテインメントの追求です。社員もお客様も楽しめるように。例えばお客様に対して、査定時に専門の機械を通して査定を行ったり、ルーペで細部をお見せしたり、査定アップのジャンケン勝負してみたり、インタビューを徹底したり…色々な買取店がある中で「ザ・ゴールド」へご来店いただいたからにはお客様にも一緒になって参加して、楽しんでいただきたいですね。
販売店であれば、購入後のケアなどで引き続きお客様との繋がりがある場合が多いと思いますけど、買取店って本当に一回売ったら終わっちゃうことが多いんですね。ただ物を売るだけでは終わらない関係性を築けるようなお店にしたいな、と。当社の業務システムで顧客管理を特に注力しているのは、地元の方とのお付き合いを非常に大切にしているからです。
最近は「出張買取」の伸びに驚いています。今年からニーズを本格的に感じていて、ここを強化したい、と。とは言え出張買取は誰でも良いわけではなく、知識のある専門スタッフが今どこにいて、今日はどのようなルートを回って、買取結果をいかにすぐデータ登録するか…といった管理が非常に重要になってくると思います。「タロス」の出張買取管理ツールのようなものがリリースされることを期待しています。