今回お話を伺うのは、古本屋から鉄道グッズ専門店へ業種転換して業績を伸ばされている鉄道本舗 様。創業時より手がけた古本販売が傾き、ギリギリの経営に。子供の頃から好きだった「鉄道」に狙いを定め再起を図ることとなった転機、そして『『タロス』POSシステム』を採用いただいた経緯と導入効果を詳しくお聞きしました。
鉄道本舗
株式会社鉄道本舗 代表取締役 石川様
業種 | 鉄道グッズ専門商材の買取販売業 |
店舗数 | 実店舗:なし EC:1店舗(ヤフオク!) |
導入製品 | 『タロス』POSシステム タロスEC ラク撮 |
- 法人化による棚卸し資産計上のため在庫管理を徹底する
- ネット販売の強化による業務の効率化
- 在庫管理を厳格に行え、店舗資産が見えること
- 中古商材の買取・販売に対応し、EC連動機能が可能なパッケージであること
- リユース業において信頼しているコンサルタントからの紹介
- 厳格な在庫管理が実現し、滞留在庫や店舗資産の把握が容易になった
- 出品時間が3分の一に短縮、それに伴い出品数が増加した
- ネットオークション受注専用システムに比べ、お客様サポート対応件数が減少した
古本の「せどり」で起業。ライバルが増加し、業績が徐々に悪化。子供の頃から好きだった「鉄道」に焦点を当て、活路を見出す。
「鉄道本舗」立ち上げまでの経緯がユニークで、興味あります。少し詳しくお聞かせください。
個人的な話をすると、二十歳から型枠大工として独立して働いていましたが、これがあまり儲からなくて…悶々としていた当時、テレビ局の買収問題で世間が騒動になりました。日本でもファンドとか、独立・起業が認知され始めた時代で、儲かりたいなら創業、と。私も感化されて「これだ!」と思うのですが、アイデアは無くて…。
その頃私の親が、本屋で仕入れた本をネットで高値にして売る「せどり」をやってお小遣いを稼いでいるのを見て、私もやり始めたら良く売れました。子供部屋を改造して、本棚を並べて、古本を沢山買って、友達を誘ってネットへどんどん出品して…規模がどんどん拡大しました。倉庫を借り、大工の仕事を減らして本格的にネット販売へ取り組む覚悟を決めました。
ところが、その後せどりの一大ブームで競合が増え、一日100点売れても利益が全く出ない状態になりました。古本のせどりに限界を感じ、途方に暮れました。そんな中、古書の組合から「鉄道模型が4トン車1台分くらい大量に放出される」という情報が入りました。資金は雀の涙程度でしたが、ここが勝負のとき、と直感で無理して全部仕入れました。
仕入れたらすぐに売らないと代金が支払えないので、1週間死に物狂いでネットで売りました。これが当たって、十分な利益が出ました。ようやく求人やホームページ作りに手が回り、企業体としての形が見えてきました。なぜあのとき直感的に全部仕入れようとしたのか…。おそらく、子供の頃から鉄道が好きだったからですね。
家の裏に名鉄西尾線の線路があって、そこに名鉄パノラマカーやいろんな電車が走る…毎日電車を観る生活でした。週末のおでかけは名鉄の先頭車両で「かぶりつき」でしたし、父親からブルートレインあさかぜのNゲージを買ってもらったのが凄く嬉しくて、大人になって買い直しました。
楽しい思い出の中に常に鉄道があった、好きなものだからやれる自信があった…、今思えばこれが直感の後押しだったのかもしれませんね。
個人事業主から法人化へ。中古品の買取・販売を統括する、正確な業務管理システムが求められた。
店舗運営に関するシステム化は長らく手付かずだったと伺っています。数ある業務システムの中から「タロス」をお選びいただいた理由をお聞かせください。
鉄道グッズの買取・販売を始めて約6年たちますが、この事業に手応えを感じていた3年目くらいの頃、会計士さんから「そろそろ法人化をすすめても良いんじゃないですか?でも、そのためには在庫管理が必須業務です」という話がありまして。法人化したら棚卸し資産を正確に提出する必要がありました。
その頃は情報管理と全く無縁な状況で、ヤフオク!受注専門のシステムで店舗を回していました。受注業務に特化されたシステムでしたので、この商品は原価いくらで、いま在庫数がどれだけなのか、といった重要な情報を社内の誰も把握していませんでした。今では考えられませんが、この山はざっくり100万円くらいだろう…な感覚で判断していました。だから、兎にも角にも、まずは在庫管理ありき、と。
私がリユース業界のセミナーへ度々通ってビジネスのノウハウを学んでいたところ、あるコンサルタントの方から、中古品の買取管理に対応していてECへの出品もできる業務システムが存在するという話を伺いました。それが「タロス」だったんですね。これはまさしく私の求めていたシステムであると確信しました。
実のところ、他のシステムは全く探さず、すぐに「タロス」導入を決めました。私の性格がそうさせるんでしょう、いろいろ探して悩んで不安になる前に、すぐ決断して実際にやってみてから考えたいんですよね…とにかく前に突き進むスピード感を大事にしています。
在庫管理によって正確に利益を追求できる目標が達成、出品までの時間を3分の一に短縮、出品数が増加。
「タロス」導入前と導入後で、何か変化はありましたか。印象はいかかでしょうか。
在庫管理が出来るという当初の目標は達成し、出張買取などでお客様から買取した在庫が今どれだけあるのか、買い取った商品にどれだけの価値があるのかが見えるようになりました。
最近特に気になっているのは、売上と利益が数字ではっきり見えることで、私やスタッフの査定状況が担当者別に分析できること。例えば…100万円でまとめて買い取った商品をばらして出品、それらが実際に売れた金額は合計300万円だった…といった粗利の分析は、ECの在庫連動システムや受注管理システムでは全く分かりません。
私も他のスタッフ同様に出張買取で日本全国飛び回っていますが、もちろん私自身の買取査定も分析されていますからプレッシャーがかかると同時に、誰よりも一番上手に買い取りたいという気持ちになりますよね。
EC業務も「タロスEC」の出品管理に切り替え、スマホ連動の「ラク撮」も導入しました。これまでの運用は、撮影担当が検品結果を記入し、出品担当が検品タグを見ながら商品テキストを作成するといったような出品準備の運用にトータル30分はかかっていて出品効率の向上が課題でしたが、すぐに改善しました。
iPhoneのカメラ性能が良いのでデジカメで撮影しなくてもiPhoneのままで十分なクオリティが得られ、写真撮影後にPCに戻って作業することが無くなり、PCへの転送時間とレタッチ(画像修正)の時間も省けたため、「タロス」導入後ではおよそ10分で出品準備ができるようになりました。まだ使い始めたばかりですが、慣れたらもっと早くなる自信があります。
「タロス」「ラク撮」導入前は3人で週180品くらい出品していましたが、導入後は2人で週160~200品を回しています。出品効率は確実に上がりましたね。EC担当者は残った時間に別の作業や撮影などに回ることができるようになり、業務の効率化を実感しています。
また、EC担当者がよく口をするのは、ヤフオク!受注専門のシステムで発生していた「受注後のお客様サポート業務」が「タロス」で大幅に減った、と。
そのシステムは落札後の応対でお客様をヤフオク!外部のWebサイトへ飛ばして個人情報を入力させる運用になっていたのですが、年齢層が高めな鉄道グッズのお客様はガラケー持ちだったりITに不慣れなお客様も多く、事態を把握できなかったり、このまま続けて大丈夫か?な類の問い合わせやクレームが往々にして発生しました。当社も応対はするのですが、お客様が諦めてしまいキャンセルになったり…。
結局のところ、そのシステムが提供する独自の運用によって当社はサポート業務が増加していたわけですね。受注後の作業は「タロス」導入後のほうが手間が増えてはいますが、「タロス」はヤフオク!の推奨する運用に準拠していますからお客様にも安心してご利用いただけますし、実際にサポート件数が減少しています。急なシステム変更にも柔軟に対応していただけるので不安はありません。
どうせやるなら夢は大きく。鉄道の「楽しい」を創造し、鉄道の「愉しい」に挑戦する。
タロス導入による効果、売上アップの実感についてはいかがでしょうか?
もちろんです。買取査定の精度が高まり、出品数も増加しているのですから、売上も利益もアップしているのは肌で実感しています。と言うより、半ば勢いで導入した「タロス」ですが、使い続けるうちに店舗運営がしっかりできるようになってきたことへの実感が強いですね。
当社はネットショップ専業ですので実店舗はありません。でも、たまにお客様から「商品を受け取りに行きたい」という要望があって、そのときはお断りせず取り置き対応します。「タロス」で業務の効率化は着実に進んでいますが、小さな組織ですのでアナログ的な対応を少しは残しても良いかな、と思っています。
企業として大事にしているのは、個の力です。個の力を強めるためにそれぞれが何かを目標を見つけるよう努力します。私はとにかくホームページに顔を出してアピールしていたら、徐々にお客様から信頼をいただけるようになりました。今はおかげさまで全国から出張買取の依頼があります。「他社だと誰が買うのか分からないから不安で、鉄道好きの石川さんだから買取をお願いしたんです」と。嬉しいですね。
色々あって一企業の経営者になった今、時々考えるんですよ。本物の電車、運営したいじゃないですか。本物の鉄道会社で、好きな鉄道を実際に走らせる…って言うのは簡単ですけど、ビジネスマンとしての人生があと30年も残っているなら、やろうと思えばできなくもない。夢があるから、今もこれからも頑張れるんです。